飲み物を飲むとき、ふと手に取るもの。
あなたが手に持ったそれは『コップ』でしょうか?
『カップ』でしょうか?
それとも『グラス』でしょうか??
意外と違いがわからない言葉の使い分けシリーズ、
今回はこちらのみっつの言葉についてのお話です。
何がポイント?違いと使い分け
まず大きな括りとして、飲み物を飲むために使う飲み物用の容器全般のことを
『コップ』と呼びます。つまり『カップ』も『グラス』も“コップ”です。
そして、このふたつの違いはと言いますと、
『カップ』
→取っ手のついたコップのこと。温かい飲み物を飲む際に用いる。
『グラス』
→取っ手のないガラス製のコップのこと。冷たい飲み物を飲む際に用いる。
取っ手があるかないか、さらには用途と材質に違いがあります。
ワイングラスは取っ手がないのでグラスに分類されますが、
ジョッキは取っ手付きでガラス製、冷たい飲み物用の『コップ』としか
分類できないものになります。カップでもグラスでもありません。
また、分類が難しいものが“耐熱性の取っ手付きのガラス製の容器”。
おしゃれなお店などでハーブティーなどをいただく際に使うようなあれです。
取っ手がついているから『カップ』と呼ぶべきなのか、
ガラス製だから『グラス』と呼ぶべきなのか・・・と迷うところですが、
あれは耐熱性ガラスでできた『カップ』に分類されます。
何が『カップ』で何が『グラス』なのかの区分は、
どちらかといえば素材よりも形状の見た目や取っ手の有無、
温かいものに使うか冷たいものに使うか、といったことが優先されるようです。
“カップ麺”の“カップ”は・・・?名前の由来
さて、ここでまた少々お腹の空いてしまうお話を。
今まで違いをあげてきた言葉に矛盾している『カップ』があります。
それは、『カップ麺』の“カップ”。
カップ麺のカップには取っ手は付いていませんよね。
それなのに何故“カップ”麺と呼ばれているのでしょうか?
これはカップ麺の開発当時、実業家であり発明家であった安藤百福氏が、
アメリカでコーヒーカップにチキンラーメンを入れて食べられているのを見て、
このネーミングを思いついたそうです。
彼は世界初のインスタントラーメン『チキンラーメン』を開発した張本人であり、
その後この体験から世界初のカップラーメン『カップヌードル』を発明した、
日清食品の創始者となったまさにその人なのです。
意外と奥が深い、『コップ』と『グラス』、『カップ』の世界。
カップ麺を食べるときやコーヒーを淹れるとき、
ふと思い出して家族やお友達にお話しされてみてはいかがでしょうか?(´∀`*)